海外コーディングブートキャンプ潜入調査

前回コーディングブートキャンプの入り方を説明したが、今回は実際のプログラムの様子について紹介しようと思う。

まず、筆者が入ったのはFlatiron Schoolという学校である。実はFlatiron Schoolは、最近何かと話題になっているWeWorkの傘下の会社であるため、施設は全てWeWorkの中にある。2019年10月現在で世界12拠点に展開している(ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、シアトル等アメリカの主要都市、ロンドン、シドニー)。

さすがWeWorkの中にあるだけあって、校舎はとても快適。自分のデスクも割り当てられるが、自分の気分次第でWeWork内のどこでも作業できる。

今回筆者はSoftware Engineering(フルスタックウェブ開発)コースに参加したが、同じ空間の中にUI/UXデザインコースの生徒や、データサイエンスコースの生徒もいる。毎週、Flatiron School内や、WeWork内のネットワーキングイベントが催されるため、別のコースの学生とも交流可能だ。

さて、本題のプログラムの内容に入ろう。筆者が参加したSoftware Engineeringコースは、合計15週間のプログラムである。15週間の本プログラムが始まる前には、合計100時間超のプレワークが課され、そこでHTML、CSS、JavaScript、Ruby等の基礎は学ぶことになる。そして本プログラムが開始すると、この15週間は5つのモジュール(各3週間)に分けられ、それぞれ下記の内容を学ぶ。

  • Module 1:Ruby(オブジェクト指向あたりの内容)、SQL(データベース)
  • Module 2:Sinatra、Ruby on Rails(Rubyでの開発を助けてくれるフレームワーク)
  • Module 3:JavaScript(DOM操作あたりの内容)
  • Module 4:React.js(JavaScriptのフレームワーク)
  • Module 5:Redux.js (React.js用のフレームワーク)と個人プロジェクト

それぞれのModuleの2週目には、1時間程度の開発テストが課され合格できないと、1週間後に追試が課される。そして、それもしくじると容赦無く切られる。最初は脅しだと思っていたが、実際コンピューターサイエンスの学部卒の学生が切られた時には、アメリカ流のアップオアアウトを目の当たりにし、かなりのストレスを感じた。感覚としては、1週目に新しい知識を9〜17時の間で鬼のように詰め込まれ、2週目にようやく理解し始めた頃にテストが課される感じ。無論、17時に学校終わった後も、土日も1日中勉強に費やさないとついていけなくなる。

一応、辛いことは前提なので、毎週金曜日にはFeeling Fridayといって、グループ全体で自分の気持ちを正直に話しあう会が設けられていた。

無事にテストをパスすると、次はModule 1〜4の間は、グループワーク(2〜5人)で実際のプロジェクトを作ることになる。これもまた別の種類の辛さがあり、全く協調性のないチームメンバーと組まされた時には、かなりのストレスになる。まぁそこもアメリカ人と実際に働いてみるという貴重な経験と考えればありがたい。

グループでのミーティングの様子

そんな紆余曲折を経ながら、Module 5にたどり着くと、今度は個人でファイナルプロジェクトを作ることになる。条件は、バックエンドはRuby、フロントエンドはJavaScript, React.jsを使うことが必須。オプションでRedux.jsも使うことができる。作るウェブサービスは個人の自由に任されていて、ファイナンス系のサービスを作る者や、APIを使ってレストラン紹介サービスを作る者など、皆自分の興味のある分野で楽しんでいた。プログラム最終日には、展示会のようなものが開催され、ゲストを呼んで自分のウェブサービスをプレゼンする機会が設けられる。

展示会の様子

正直、生半可な気持ちでやり遂げられるプログラムではなかったが、結果、自分でフルスタックでウェブサービスを作れるくらいまでレベルをあげられたので満足している。よくよく考えてみれば、15週間(105日)×10時間/日で計1000時間超を3ヶ月で一気に勉強するのでできるようになるのは当たり前である笑。(個人で毎日欠かさず2時間ずつ勉強しても、一年以上かかる量)

次回は、なぜここまで厳しいプログラムを完遂することができたのか、デザインスクール で学んだ行動経済学の理論とも合わせて分析したいと思う。