世界初ジェンダーフリーのファッションブランド「The Phluid Project」とは?!

既にアメリカでは全50州で、同性愛者の結婚を正式に許可されている。それでもまだ、偏見をもたれたり批判されたりするなど弱い立場にあるノンバイナリー/サードジェンダーの人達だが、ファッションを通じてなにができるのだろうか。今回はニューヨークのファッションブランドで社会課題解決に大きく寄与することが予想される「The Phluid Project」を紹介しよう。

storefront of phluid
店頭のディスプレイ

男女という性別を打ち砕く

アメリカのファッションの消費者の半分以上がミレニアル世代が占めていると言われており、その世代およびZ世代のような比較的若い世代を中心に男女という2つにきっぱりわかれた性別に違和感をもっている。ファッションブランドにおいては、ユニセックス・男女兼用の洋服が浸透してきている一方で、リテールという括りでは男女のセクションが別れていたりと、男女という性別で構成されているのが現状だ。リテール業界に30年以上身を置いてきたRob Smith氏は、若い世代がメインの消費者であるにも関わらず、若い世代の考えを反映していない現状を変えたい想いから「The Phluid Project」を創業した。

一体、このリテールショップは何なのか

ニューヨークのNOHOに位置するThe Phluid Projectのリテールストアに入るとすぐに、レインボーカラーに目を奪われる。奥に進むにつれ、爆音のポップソングが耳に入り、併設されているコーヒーショップの周りには、多くの人が飲み物を片手に交流していた。一番奥のイベントスペースでは、写真撮影/ダンスを踊っていたりと、何の固定概念にもとらわれず、誰にもジャッジされない、非常に自由な場所であると感じた。

パネルディスカッション等のイベントが行われる場所

これは創業者の狙い通りで、このストアに入る人は絶対にオープンハートにしなくてはいけないというルールがあるからだ。彼の思いとして、インクルーシブで社会的関わりのあるコミュニティスペースを実現したいと思っている。唯一無二の存在であるといわれている所以の一つに、洋服やグッズを買っても買わなくても、コミュニティに参加することができることが挙げられる。そしてストア内では定期的に性別と性行為に関するイベントがコミュニティのために開催される。また、ウェブサイトの”Resources”には、9つのカテゴリから学べる教育マテリアルが用意されている。各カテゴリにいくと、ケーススタディなどから学べるように導線がひかれている。

9つのカテゴリにわかれた教育マテリアル

洋服に関しては、半分がこのブランドのもので、もう半分はThe Phluid Projectの思想に共感するローカルのまだ小さいブランドからChampionのような大手ブランドなどが置かれている。また、サイジングに関しても不快な思いをさせないように、XS-XLのようなサイズではなく、数字ベースで表記するような方針をとっている。筆者が訪れた際も、現在のオンラインサイトでも、まだ数字ベースではないが、完全撤廃にむけて取り組み中ということだ。

ファッションがもたらす力

全世界どこの人も洋服を身に着けており、カルチャー・ライフスタイルの一部であるファッション。そんなみんなに共通し、実体がある”洋服”を通して、実体のない”価値観”を変えたり”固定観念”を壊したり、ファッションは良い意味でのムーブメントを起こせる力を秘めている。そして今後最重要な消費者の層となるZ世代の心を掴み、このブランドが先陣をきって業界を巻き込み、人々にとってよりよい社会を作れるのではないだろうか。読者の皆さんは、どう考えるだろうか?ご意見・ご感想あれば、お気軽にコメント欄にいただければ幸いだ。