アリババの強さの秘密に迫る

昨今、アメリカによる中国企業の締め出しが話題になるなど、中国企業の存在感が増していることは誰もが認めるところだろう。筆者もアメリカでの生活やCESなどの展示会に参加する中で、日々その勢いを感じている。今回はそんな中国企業を代表するアリババの強さの秘密を見ていきたいと思う。

アリババの企業概要

まずは、アリババに馴染みのない読者のためにさらっと企業概要をおさらいしてみよう。

事業内容:アリババグループは、世界最大規模のE-Commerceを擁する中国のコングロマリット企業である。 現在、Alibaba.com、Taobao、Tmall、Ali Express等のサービスをグローバルで展開している。
創業年:1993年
創業者:ジャック・マー
従業員数:101,958名(2019年3月)
売上高:約5兆6520億円(2019年3月)


強さの秘密

売上高が6兆円近いことからも、その勢いはわかるだろう。ではなぜここまでアリババが強くなれたのか、少し分析してみたいと思う。

インターネット黎明期に創業

もともと英語教師だった創業者のジャックマーはアメリカで出会ったコンピュータに衝撃を受け、中国帰国後の1995年にビジネス情報サイトを開設。その後、中小企業のビジネスを助けたいという思いからAlibaba.comを創業。中国でまだまだインターネットも普及していなかった頃からはじめ、不屈の精神と先見性でここまで事業を拡大してきた。



AIの活用

現在アリババはAIにかなり力を入れている。2030年までにAI分野のリーダーになることをゴールに、2017年には今後3年間で150億ドル(約2兆円)の投資をすると発表。Academy for Discovery, Adventure, Momentum and Outlook(DAMO)という組織を作り、中国、サンマテオ、ベルビュー、シンガポール、モスクワ、テルアビブ等で100名規模の研究員をリクルートしている。

アリババは、顧客行動データを用いた商品のレコメンデーションや、チャットボットによるカスタマーサービス(90%の会話を理解できるらしい)だけでなく、セールスコピーもAIコピーライターを使って作成しているという。これは1秒間に2万種類のコピーライトを作成することを可能にするもので、コピーライターが今まで地道にキーワード検索やクリック率を調査していた時間を大幅に削減した。また、B2B向けに自然言語処理の技術を解放。その技術力は今やスタンフォード大学以上とも言われている

また、EC以外にも、スマートシティやスマート農業への取り組みにも力を入れており、人口900万人を超える杭州では渋滞予測に基づいた信号の操作で交通渋滞を15%削減。上海の地下鉄では、顔認証システムとキオスクでのルート提示もAIで行なっている。中国の著しい人口増加を背景に力を入れているスマート農業では、農作物の管理だけに留まらず、家畜の健康状態を24時間監視し、餌を与えるタイミングや量、運動量を調整している。
(出典:Artificial Intelligence in Practice, Shanghai.daily, South China Morning Post, DAMO HP)



ジャック・マーのリーダーシップ(名言力)

ここまで読まれた方は、インターネット黎明期に中国で創業したタイミングの良さや、AI等最先端技術への投資などがアリババの成功に大きく貢献していることがわかったと思う。しかし、実は一番大きいのは、ジャック・マーのリーダーシップだと思っている。彼が語る言葉から、そのカリスマ性を垣間見ることができるだろう。YouTubeを探せば、彼の演説をいくつも見つけることができると思うが、今回はそのエッセンスが詰まったジャック・マーの名言をいくつか紹介して締めくくりたい。

Never give up. Today is hard, tomorrow will be worse, but the day after tomorrow will be sunshine.

Once in your life, try something. Work hard at something. Try to change. Nothing bad can happen.

Forget about your competitors, just focus on your customers.

if you’re poor at 35, you deserve it.

厳しい言葉も含まれているが、今取り組んでいる挑戦を諦めずに頑張ろうと思えたのではないだろうか。